日本の美・色彩 Japanese Emotion
この『日本の美・色彩』シリーズを開発するにあたり、一昨年からの『すくも藍』が始まりでした。そこから草木染・紅花と続き、最初は紅花=黄色と認識してました。ある草木染の方から、紅色が取れることを教えていただき、99%の黄色と1%の紅の存在を知りました。古来から紅の原料としてその技術は確立していたようで布染はもとより、鳥居の朱色や口紅に重宝されてるようです。
最上花紅を調べていたところ、『二藍』という表現にであいました。すくも藍から始まったNatioの日本の美・色彩シリーズで、『藍』に関する情報にも関心を寄せてました。
『二藍』とは、平安時代からの日本独特な色彩で、高貴な紫色として衣装などで好まれた色彩のようです。衣装用の染として、まず藍で染、つぎに紅花の紅で追い染を施し、その割合で若年層から壮年の方まで幅広く好まれた色彩です。色相も幅が広く固定の色を指すのでなく、紅が強いあかるい紫から藍の強いおちついた紫まであるようです。
私たちは、藍の原料を徳島の『阿波藍』に求め、紅の原料を山形・最上紅花の『紅餅』に求めて、日本古来の色彩を日本の材料と技法で再現しようと試みました。
Natioのこだわりは、日本の色彩を日本の原料で、また古来からの方法で抽出し再現することに情熱を注ぎ製作することです。
紅花を摘み、濃縮・黄から紅への変化のための発酵などをへて、『紅餅』ができます。そこから黄色から紅、そして桃色までを抽出してビーズ・パーツへ施します。そのビーズやパーツをデザイナー・クリエイターの方々の感性と技術で、ビーズジュエリーとして日本古来の『日本の情緒』を表現しようと試みています。
まず、手に取っていただけるお客様を前提に作品作りをすることが必要で、クリエイターの原点と考えます。
そこに感性とデザインで日本の風合いや歴史・物語りをふまえて、話題を提供できる作品創りによる、新しいデザイナー・クリエイターの世界を構築できれば幸いです。